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『生コンクリート不正利用』の衝撃!★建築通信★

2023.12.01

建築通信

『生コンクリート不正利用』の衝撃!VOL.10 設計技術部 赤尾 建築通信

2022年9月、川崎市の生コンクリート業者が出荷した生コンクリートが、日本産業規格(JIS)に適合していなかった問題をご存知でしょうか?

特定行政庁が進めていた調査から、被害状況が明らかになりました。
生コンクリートとは、工場で練り混ぜが終わり、まだ固まっていない状態で工事現場等に運搬されるやわらかいコンクリートのことです。
業界用語ではレディーミクスコンクリートと言います。

建築通信 生コンクリート不正利用の衝撃!赤尾部長

生コンが誕生したのはドイツで、1903年日本で初めての生コンはそれよりもずっと遅い
1949年(昭和24年)でした。


毎年11月15日は「生コン記念日」とされています。
コンクリートは、セメントや砂や砂利に水を加え、練り合わせて固めたものです。
建物の主に基礎や壁や柱(主要構造部)に利用され、言わば建築物の一番重要なところに使用される、人の命を守る大切な材料と言っても過言ではありません。

建築通信 生コンクリート不正利用の衝撃!赤尾部長2

さて問題が発生した事件とは、その生コンクリートが現場で打設されず返送して「戻りコン」
を、新たな製造した生コンに混ぜ、JIS製品として別の現場に出荷されていました。
これは完全にルール違反!いわゆる建築基準法違反になります。

生コンクリートは工場で作られてからセメントと水が反応して、2~5時間で固まりはじめてしまうため、作られてから90分以内で建設現場に届けるルールがあります。
その為、工事現場では、監督さんや沢山の職人さんが、緻密なスケジュールに沿って作業を行っています。
このスケジュールに遅れないよう、適切なタイミングと間隔で生コンクリートを手配しています。

建築通信 生コンクリート不正利用の衝撃!赤尾部長3

国土交通省によると、問題の生コンクリートの出荷先は、東京都内5区市と神奈川県内2市の計30現場。現場内の建物数は計68棟に上り、各特定行政庁が使用箇所を確認しています。
問題の生コンクリートを基礎に使用していた建物は、完成済か完成目前でした。
横浜市内では、問題の生コンクリートを基礎に打設していた4棟のうち、完了検査を受ける直前の2棟を解体して更地の状態に戻したそうです。

建物の所有者や施工業者にたいして、国土交通省は適法化に向けて動き出しました。
建築のプロとして建物の品質管理は重要です。
建物に必要な強度や性能、外観、デザインの品質を守るため、工事内容が設計図書通り進んでいるかを常に考え、品質向上を前提に設計管理を行っています。

❖❖❖ 設計技術部 赤尾 正智(管理建築士) ❖❖❖

 


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