老人ホーム紹介担当からみた『2025年問題』~それは既に2024年から始まっていた~
介護の豆知識
ニーズの劇的な変化!ビジネスケアラー(仕事をしながら介護を行う人々)の増加!離れて暮らすキーパーソンの増加!身元保証人がいない方の相談増加!など、それによる影響は大きい。
また、戦争を経験し、物のない時代に育った「昭和一桁世代」「焼け跡世代」と第1次ベビーブーム時期に生まれ高度経済成長、バブル景気を経験してきた「団塊の世代」とでは考え方も大きく異なり、施設という一つ屋根の下で一緒に暮らすことの難しさ、施設側の対応と今後の課題も多いでしょう。

2025年問題とは、「団塊の世代」800万人全員が75歳以上の後期高齢者になり、国民の5人に1人が高齢者となる超高齢化社会を迎えることで、雇用、医療、福祉など日本社会全体に深刻な影響を及ぼす問題を指します。この現象により、高齢者の増加による医療費や介護負担が増大し、労働力不足もさらに深刻化することが懸念されています。
身近なところではどのような問題が起きているか?老人ホーム紹介担当として記させていただきます。老人ホーム紹介の担当となり3年目となりますが、前任者から引き継いだ2022年と2024年ではニーズは大きく変化しました。
【現状の問題】
2022年当時は比較的緊急性の高い方からの相談が多かったのに対して、現在は急を要さない相談が増えています。これは早い段階から相談をかけておこう、情報を集めておこう、という思いもありますが、この「早い段階」にケアマネ様とご家族様に温度差があることも分かりました。
ケアマネ様は「入居した方がよいタイミングで相談している」のに対して、ご家族様は「早いうちから相談している」から安心と受けている事もあります。
認知症の場合、「離れて暮らすキーパーソン」にとっては、その微かな進行具合がなかなか気づかなかったりします。久しぶりに会いに行ったらご本人様の変貌ぶりに慌てて入居を急ぐというケースもあります。
また、仕事が忙しく親の為になかなか休みを取れない「ビジネスケアラー」にとっては、施設見学や入居の為に健康診断や書類を揃える時間を作るのも一苦労されている方も少なくありません。入居準備の段階でスピードダウンしてしまいご本人様の容態が悪化してしまうこともあります。
2024年3月 経済産業省 資料より

■経済産業省『経済産業省における介護分野の取組について』より抜粋
P3「家族介護者・ビジネスケアラー・介護離職人数の推移」
【解決のための提案】
老人ホーム紹介担当としては、「施設提案~見学~入居準備~入居」と一つの流れとしてお勧めしていこうと行っておりますが、どうしても「施設提案~見学」と「入居準備~入居」との間に隙間ができてしまう現状があります。
この「隙間」ができるようになったのもここ最近の話です。「ご本人様が紹介状の依頼と健康診断の為に病院へ行く!」為の時間を作らなければならず、ここが「隙間」になっているように感じております。
まさに「ビジネスケアラー(仕事をしながら介護を行う人々)」が増加している現象でしょう。
老人ホーム紹介担当からご家族へのアドバイスとして、入居相談時に「施設見学」「健康診断受診」「施設側との契約及び入居」の3日間は必要とお考え頂く事と、ご本人様に事前に「健康診断」がある事を伝えておく事で比較的スムーズに進むと思います。
【理想的な施設の例】
「昭和一桁世代」「焼け跡世代」「団塊の世代」がひとつ屋根の下で一緒に暮らすには・・・かなり難しい課題と思いますが、老人ホーム紹介担当から見た「あったらいいな、こんな施設」で括りたいと思います。
・室内パターゴルフがある施設
・麻雀ができる施設
・趣味話を語れる談話室がある施設
「団塊の世代」と言えば麻雀&ゴルフ!でも「昭和一桁世代」「焼け跡世代」もやっている方もいらっしゃる。また、世代問わず趣味の話は誰にでも通じるもの。趣味の話で盛り上がれる場面が、場所があったらいいなぁ、と思います。
【老人ホームで世代を問わず楽しく暮らせる工夫】
具体例として・・・過去にお会いした方、私と親子ほど年の差がある方になりますが、ご自宅尋ねたら山の地図や本が沢山置いてあり「山へ行かれていたのですか?私も山が趣味です。どんな山へ行かれたのですか?」と話したら「岩登りや沢登りで色々行きました。穂高岳に、谷川岳に・・・と」目を輝かせて意気揚々と語り始めました。
私も幾つか行ったルートがあったので話を合わせると本当に嬉しそうでした。
後日、ご家族から「父親が久しぶりに山の話ができて楽しかったと言っておりました。あんなに楽しそうな父親を見たのは久しぶりです。ありがとうございました」とご連絡頂き、思わず涙こぼれました。
趣味の話は世代に関係なく人を明るく元気にする力があると思います。
世代問わず施設で皆様が楽しく暮らせたなら良いと思います。
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